研修会A
心理学の社会実装:カスタマーハラスメントの研究と実践
講師
桐生 正幸 氏(東洋大学)
内容
今,カスタマーハラスメント(カスハラ)の問題は,企業だけではなく自治体,医療・介護現場,教育現場,そして公共施設などで大きな問題となっています。2022年,厚生労働省は,カスハラを顧客等からのクレームや言動のうち,その要求内容の妥当性に照らして,要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当であり,その結果として労働者の就業環境が害されるものと説明しています。苦情などの言動や要求内容が,暴言,脅迫,長時間拘束,執拗な反復要求,個人攻撃,土下座要求などにエスカレーションすることで,対応者が通常業務を遂行できなくなり,メンタル面の不調などがもたらされることが問題となっています。演者は,2017年より科研費等でこのカスハラ問題に関し,主に犯罪者プロファイリングを応用した研究を進めてきました。ただ,実社会の問題解決のためには,これら研究知見を企業や自治体にコミットしながら具現化していく必要性も強く感じたところです。そのため,現在「一般社団法人ココロバランス研究所」を通じて,多くの企業や自治体などと活動を行っています。本研修会では,心理学と社会との結びつきの一例として,このカスハラ問題への取り組みについてお話をしたいと考えています。